Yosirin’s blog

アニメ、音楽などの評論、感想色々書いていきます。

プリキュアの変身バンクで泣くとは思ってなかった

とりあえずこれを見てくれたまえ。

 

youtu.be

 

 

今までにいなかった色合いのプリキュア。画面からあふれ出る多幸感よ。

なんだこれは。

 

可愛すぎる。

 

私はまだプリキュア視聴歴2年半の新米だが、歴代主人公の変身バンクだけは見てきた。しかし、先日ふとyoutubeの関連で流れてきたこの動画の衝撃はアニメファンを続けてきた中でも指折りのものであった。

スタートゥインクルプリキュアでは変身BGMでそれぞれのヒロインが歌うという特徴があり、めちゃくちゃかっこいいという事だけは知っていたし、主人公のキュアスターのアニメーションクオリティも高い事は知っていた。が正直この世代の中でもキュアミルキーだけレべ値すぎる、

 

ぬるぬる動くアニメーション、可愛さに全ブリした芝居、絹でできたような滑らかな歌声、それを支える重厚なストリングス、過去にいなかったエメラルドグリーンを基調とするキャラデザ、そのキャラデザを最大に活かす色彩設計、撮影処理‥これは間違えなく総合芸術の域に達していると言ってよいだろう。

 

この動画を見た後、今までの歴代すべてプリキュア達の変身バンクを視聴したがキュアミルキーのクオリティの域に達した者は残念ながらいなかった。

だが、ここ数年ではキュアスカイ、キュアフラミンゴのバンクはキュアミルキーを追随する魅力を兼ね備えている。いつか彼女達のバンクの魅力も語らせてもらうかもしれない。

 

とりあえずアニメファンなら10回は彼女の変身バンクを見るべきだ。

 

 

名盤探しのすゝめ

こんにちは。吉凛です。秋です。音楽の秋です。音楽を聴くとなんだかいい気分になります。よって音楽は人生を豊かにします(デジャブ)。

 

はじめに

皆さん、音楽を普段聞いていますか?昨今ではサブスクリプション音楽配信サービスを契約すれば月額1000円以下で音楽が聴き放題。素晴らしいサービスですね。私はSpotifyを契約していますが、なによりも自分の知らない音楽に出会えるという点が魅力的な点であると感じています。自分専用にAIが今人気のアーティストの新譜からちょっとニッチなアーティストまで自動でプレイリストを組んでくれる。このシステムがほんとうに音楽好きにはたまらない。

 

名盤とは何か。

 

はい、話が大きくそれましたので修正させていただきます。皆さん、そもそも「名盤」という単語をご存じでしょうか。音楽が好きな方なら一度は耳にしたことがあると思います。そもそも名盤と辞書的な意味合いだと、

 

すぐれた演奏の録音盤。有名なレコード盤。  コトバンクより

 

 

となっています。

 

うーん。理解はできるが、非常に納得いかない。

 

そもそもすぐれた演奏ってナンすか。有名ってなんスカ、って話になってくると主観的な話になってくると感じる。勿論、このアルバムは「音」として優れているよね*1、こういう演奏技術は評価されるよね。CDの売れた枚数は何枚でこれはとても記録的だ。という音楽業界に存在する価値観によって客観的な要素としてとらえられる部分もあります。しかしこの音楽業界に存在している価値観もいうなれば非常に主観的です。我々一般音楽リスナーからすればそんな事知ったこっちゃないわけです。プロじゃないので、いい音を聞き分ける耳もいい音を再生するオーディオもないです。聞いているアルバムがどれくらい売れたとか別に興味がない人がほとんどでしょ。

 

私が考える、「名盤」とは

 

よって「名盤」とはいったいなんなのか。私がここで再定義させて頂きます。

 

「名盤」とは、アルバムを通して聞いてこれは「名盤」だわ、と感じたら「名盤」。

 

はい。もうはっきり言って「名盤」である理由なんてなんでもいい。私は「名盤」という呼称をもっとフランクに、広義的に扱っていきたい。ただ、私が定義した、アルバムを通して聞いてという部分は譲れない。ビートルズホワイトアルバムが名盤だと語られないように、ベストアルバムなどといったものでなく、一つの作品として成立しているものでなければならないと私は考えている。

 

曲順問題

 

アーティストはアルバムの曲順にこだわっている。シャッフル再生は許さない!という言論を音楽界隈に身を置いているとたびたび聞くことになる。私はこの意見に賛成だ。アルバムの中にある、あまり好きじゃない曲も愛して欲しい。その曲自身が好きでなくてもアルバムを通しで聞いてよい作品だと感じればその曲は、曲と曲を繋ぐ役割を果たしている。

好きじゃない曲もアルバムの一員として愛して欲しい。

 

まずは、アルバムを通しで聞いてみよう

 

タイトルが「名盤探しのすゝめ」なのにいつまでも「名盤」とは何かについて語ってしまいました。

好きなアーティストの好きな曲だけをピックアップして聞いたり、人気曲順を上から聞いている人も多いと思います。

まず、好きなアーティストのアルバムを通しで聞いてみましょう。アルバムの中には自分の好きな曲、人気曲が入っている一方、聞いたことのない曲であったり、あんまりかっこよくない曲があったり‥。そんな中で、「え、こんなジャンルの曲も作っていたんだ」という発見があったりします。アーティストがほんとうにやりたい音楽というものをシングルで出さずに、アルバムに入れるという事は多いです。好きなアーティストの知らない側面を見つけられるかも。

 

あと単純に「名盤」を語れると音楽通ぶれます。これは非常に重要です。

 

聞いたことのないアーティストの「名盤」も聞いてみよう

 

これは趣味というよりも教養に近いかもしれない。例えば、はっぴいえんど「風街ろまん」というアルバム。”邦楽史上最高の名盤”と称されるこのアルバムは非常に音楽界隈で話題に上がることが多い。どうやらこのアルバムは、日本のロック、ポップスを確立させたことが評価されているらしい。聞いてみる。

 

なるほど、わからん

 

というのが私の正直な感想。「風をあつめて」という曲は有名で聞いた事があった。「風をあつめて」はいい曲だなーと思いつつ他の曲を聴いてみてもさっぱりわからない。このさっぱりわからないという経験を私は大切にしてほしい。音楽という身近にある媒体の中で「わからないから怖い」「わからないけどかっこいい」というような体験は非常に貴重です。普段聞いているJpopからかけ離れているジャンルの「名盤」に触れてみるという経験は間違えなくかけがえのないものになる。音楽に限らず、文学、学問、スポーツなどなど、自分の知りえない文化や風俗を学ぶ、体験するという行為は人生を豊かにすると私は信じてやまない。GoogleYoutubeに「邦楽 名盤」「洋楽 名盤」とぶち込んでやればいくらでも情報が出てくる時代。普段触れない文化に触れてみる機会を是非作ってみてほしい。

 

顔ジャケットは名盤と言われやすい傾向があるような希ガス

私が死ぬほど聞いてきた「名盤」

 

私の好きなアルバム紹介します。こんな風にアルバムを聴いているのか。という参考になれば幸いです。今回は邦楽に絞ってご紹介します。

 

宇多田ヒカル 「Fantôme」

 

宇多田ヒカルの名盤と言えば「First Love」というアルバムを挙げる方が多いと思います。このアルバム、16歳で作りました。日本国内で800万枚の売れた、日本で一番売れたアルバムです。テッド・ジェンセンがマスタリングしています、そんな要素もありながら私は宇多田ヒカルなら

 

「Fantôme」を推したい。

 

このアルバムは2013年に亡くなった母、藤圭子にささげるという意味合いを持って制作されたアルバムである。「人間活動」と称した活動休止からの復帰後初のアルバムで、オリジナル・アルバムとしては8年半ぶりのリリースとなった。同じ歌手であり、自殺で母を亡くした宇多田ヒカルは何を思ったのだろうか。

さらけ出された顎の骨格に、母の面影を感じた。

私の心の中にあなたがいる いつ如何なる時も 一人で歩いたつもりの道でも 始まりはあなただった 「道」より

 

このフレーズよ。譜割りも常人じゃ思いつかない。一曲目の「道」から最後の曲である「桜流し」までほんとうに流れが美しい。

 

岡村靖幸 「家庭教師」

 

岡村靖幸が好きなんよ。和製プリンスと称されることの多い彼だが、いや岡村靖幸岡村靖幸だろ、と私は思う。かっこいいのか、キモいのか、エロいのか、可笑しいのか、よくわからない彼の魅力。ただいつでもサウンドは猥褻。どぉなっちゃってんだよ。

 

岡村靖幸は冴えない男の子の気持ちがよくわかっている男だ。

 

俺なんかもっと頑張ればきっと女なんかジャンジャンもてまくり 

「どぉなっちゃってんだよ」より

このジャケットを描いたのはどなたなんだろか。色々調べると会田誠ではないはず。*2

中村佳穂 『AINOU』

 

中村佳穂は細田守が監督を務めた映画、『竜とそばかすの姫』で、主人公の声および劇中歌をしたことで話題になった。その後同映画のOP曲を紅白歌合戦で歌唱した。あのパフォーマンスは圧倒的だった。

 

このアルバムを初めて聴いたときの衝撃よ。「あ、邦楽が動き出した」と本気で感じた。音楽系Youtuberである、みの氏が彼女の事を「スティービーワンダーの生まれ変わり、またはスティービーワンダーそのもの。身体から音符が出てくるような感覚」と評していたがまさにそうだと感じた。私が人生で最も通して聞いたアルバム。マジで聞いてくれ。

一時期このジャケットがタワレコに多く並んだ。自分の事のように嬉しかった。

最後に

まだまだ紹介したかったアルバムがあるが、ひとまずここで終わりとさせていただく。全部で3400文字くらいかな。想定よりもかなり長くなった。読んでくれた方ありがとう。自分なりの名盤を探してみてくれ。

*1:グラミー賞のアルバム技術賞なんかいい例。実際選ばれたアルバムの音は凄まじいものがある

*2:人生でい一番衝撃を受けた絵は彼の描いた「とれたてイクラ丼」。ほんとうに凄まじい嫌悪感だった。こんな経験は今後ないだろう。怖いもの見たさの方は自己責任でどうぞ。

芥川賞受賞作品のすゝめ

こんにちは。吉凛です。秋です。読書の秋です。読書をするとなんだか普段使わない脳の部分を使ったような気分になります。よって読書は人生を豊かにします(多分)。

私は昔から海外文学を読むことが多かったのですが、最近では純文学、特に芥川賞受賞作のおもしろそうな作品を漁っています。今回の記事では芥川賞受賞作をお勧めする理由とおすすめ作品をご紹介させていただきます。また、今回は普段読書をしない方、芥川賞受賞作に触れたことのない方に向けて私のお勧めする2作品をざっと紹介させていただきます。読書家の方が私のブログを拝見することがあれば「的外れな意見だ」と憤慨するかもしれませんがあくまで私の主観なので悪しからず。

 

まず私が芥川賞受賞作品をお勧めする理由は二つ。それは、ページ数が短い事純文学こそが文学において読むべきジャンルであると考えているからです。

 

①ページ数が短いと気楽に読める

ページ数が短い本って手に取りやすくないですか?海外文学では本は分厚く、ページを開いてみると字が小さい。そして前編後編ある。なんてことはザラ。日本人作家でも著名な作家はジャンル問わず作品が長い傾向にあると感じています。私は普段から読書を行っていますが物凄く長い作品を読むときは覚悟を持って挑みます。でも読書を普段しない方、ガチ勢じゃない方は厳しいと思います。そんな時の芥川賞。文庫本でページ数が150ページ以下の作品も多く、後ろに他の作品が掲載されているというケースも多いです。読んでみて合わなければ読むのをやめてもいいですし、面白くなくても早ければ2,3時間程度でも全部読めてしまうので読み切ってしまうのもアリ。後ろの作品は無視でもオーケー。本も薄いので嵩張りません。

 

②純文学こそ文学の神髄だ

「純文学」と検索するとサジェストに「つまらない」と表示され、検索すると様々な記事が見受けられます。これは私にとってとても悲しく由々しきことです。純文学と相対するジャンルとしてエンタメ小説(大衆文学)というものがあります。大衆文学が受賞する有名な賞として本屋大賞直木賞などが有名ですね。私は大衆文学が嫌いなわけではないですが、文学の真髄は純文学に宿っていると考えています。文字を読むことでしか表現できないものが私は文学として高貴で、文学たらしめる要素であると考えているからです。今回ご紹介する作品は映像化されていない作品を紹介しています。「行間を読む」「作者の真意」といった読書における重要な要素を是非芥川賞受賞作品で味わってほしいと考えています。

 

〇前置き

作品紹介に移ります。私が今まで読んだ芥川賞受賞作品から2作品選ばせていただきました。ネタバレは及びストーリーは限りなく書かないようにしますが、「蹴りたい背中」だけ少しネタバレアリです。ごめんなさい。

 

小川洋子著 妊娠カレンダー

私が大好きな作家の一人である小川洋子作品です。「博士の愛した数式」などが有名じゃないでしょうか。「妊娠カレンダー」を今回紹介する理由は、読んだ感想として、限りなく芥川賞受賞作品という感じがする、と感じたからです。実際、この作品について取り上げている記事でこんなことが書いてありました。

 

芥川賞というのは、どこか自然主義リアリズム的な意味でのリアリティーを、作品に要求するところがあるのではないか。

どこか「生きていることに伴う汚れ」というか、「体臭」がダイレクトに漂ってくるような部分がないと芥川賞はもらえない。

引用;芥川賞作品を読む|第8回 小川洋子『妊娠カレンダー』(第百四回 1990年・下半期)|重里徹也・助川幸逸郎

 

この記事を読んで、素晴らしい言語化能力だなと感じました。この作品には「悪意」という要素が多く孕まれています。特にラスト一行にはゾッとしてしまいました。小説は書き出しの部分がよくピックアップされ語られるのですが私はこの作品のラスト一行は「アルジャーノンに花束を」と同じくらい衝撃を受けました。いつかラスト一行についてのブログも書いてみたいと思います。話がそれましたがこの小説、なんと74ページ!1時間で読めちゃいます。後ろに2つ小説がありますが最悪読まなくてもいいです。是非あなたの1時間、たまには小説を読むのに使ってみましょう。

初めて見た時、吉本ばなな著のTUGUMIの表紙に似ていると思った。
カワセミ最近見ないですね。

綿矢りさ著 蹴りたい背中

19歳で芥川賞を受賞し、とても話題になった作品。ネット上では著者がお綺麗で最年少で受賞したということもあり、「過大評価」だという意見も見られますが私はその意見に断固反対させていただきます。この作品、「名作」です。(次の部分で本作品、他作品のネタバレがあります、すいません)

 

私は「金閣寺をなぜ燃やしたのか?」という永遠に議論され続けている命題に並んで「なぜ主人公は背中を蹴ったのか」という議論もされるべきだと考えるほどに語る部分が多い作品だと感じました。以上ネタバレでした。

 

学校のクラスメート、学校の風景、すべて懐かしい。20歳では書けない作品。この作品と蛇とピアスと同時受賞したらそりゃ話題になるわ。ここで私のもう蘇らないであろうと考えていた青春時代を記憶している海馬を猛烈に興奮させた情景描写を一つ引用させていただきます。

 

からからに干上がった手洗い場にたどりつき、大きな蛇口をひねった。乾いて真っ白になっているコンクリートの流しの上に、水が滝のように流れていく。(本文から引用)

 

いや、あった。あったよ。あのいろいろな色の混ざった、粉を吹いたようなコンクリ―トが、水をかけるとだんだん鮮やかになっていくあれ。みんな覚えてる?

読みやすいのと、学校が舞台ということもあって中高生におススメしたいところだが、もう青春なんて忘れちまった、という方にも是非読んでもらいたい。172ページですが、字が大きくとても読みやすい文体をしているのですらすらと読めます。

前髪で目が隠れてみえない。彼女もまた、前が見えていないのだろうか。


最後に

この2つの作品、ストーリーとして大きな出来事とかなんにも起きない。私たちの生活の一部を切り取ってそこにある無意識的な感情、情動、そんなものを言語化したものが純文学だと考えています。妊娠カレンダーにおける「悪意のない悪意」だったり。蹴りたい背中で描かれる「自覚のない性衝動」だったり。是非感じ取ってもらえれば幸いです。

 

追記

蛇にピアス」、「乳と卵」、「共喰い」などの作品もいつか紹介するかも。

 

 

初執筆です。よろしくお願いします。

どうもこんにちは、吉凛です。

Twitterで考えたことを垂れ流してきましたが文字数制限などがあり非常にもどかしいため、色々此処で試していこうと考えています。