Yosirin’s blog

アニメ、音楽などの評論、感想色々書いていきます。

名盤探しのすゝめ

こんにちは。吉凛です。秋です。音楽の秋です。音楽を聴くとなんだかいい気分になります。よって音楽は人生を豊かにします(デジャブ)。

 

はじめに

皆さん、音楽を普段聞いていますか?昨今ではサブスクリプション音楽配信サービスを契約すれば月額1000円以下で音楽が聴き放題。素晴らしいサービスですね。私はSpotifyを契約していますが、なによりも自分の知らない音楽に出会えるという点が魅力的な点であると感じています。自分専用にAIが今人気のアーティストの新譜からちょっとニッチなアーティストまで自動でプレイリストを組んでくれる。このシステムがほんとうに音楽好きにはたまらない。

 

名盤とは何か。

 

はい、話が大きくそれましたので修正させていただきます。皆さん、そもそも「名盤」という単語をご存じでしょうか。音楽が好きな方なら一度は耳にしたことがあると思います。そもそも名盤と辞書的な意味合いだと、

 

すぐれた演奏の録音盤。有名なレコード盤。  コトバンクより

 

 

となっています。

 

うーん。理解はできるが、非常に納得いかない。

 

そもそもすぐれた演奏ってナンすか。有名ってなんスカ、って話になってくると主観的な話になってくると感じる。勿論、このアルバムは「音」として優れているよね*1、こういう演奏技術は評価されるよね。CDの売れた枚数は何枚でこれはとても記録的だ。という音楽業界に存在する価値観によって客観的な要素としてとらえられる部分もあります。しかしこの音楽業界に存在している価値観もいうなれば非常に主観的です。我々一般音楽リスナーからすればそんな事知ったこっちゃないわけです。プロじゃないので、いい音を聞き分ける耳もいい音を再生するオーディオもないです。聞いているアルバムがどれくらい売れたとか別に興味がない人がほとんどでしょ。

 

私が考える、「名盤」とは

 

よって「名盤」とはいったいなんなのか。私がここで再定義させて頂きます。

 

「名盤」とは、アルバムを通して聞いてこれは「名盤」だわ、と感じたら「名盤」。

 

はい。もうはっきり言って「名盤」である理由なんてなんでもいい。私は「名盤」という呼称をもっとフランクに、広義的に扱っていきたい。ただ、私が定義した、アルバムを通して聞いてという部分は譲れない。ビートルズホワイトアルバムが名盤だと語られないように、ベストアルバムなどといったものでなく、一つの作品として成立しているものでなければならないと私は考えている。

 

曲順問題

 

アーティストはアルバムの曲順にこだわっている。シャッフル再生は許さない!という言論を音楽界隈に身を置いているとたびたび聞くことになる。私はこの意見に賛成だ。アルバムの中にある、あまり好きじゃない曲も愛して欲しい。その曲自身が好きでなくてもアルバムを通しで聞いてよい作品だと感じればその曲は、曲と曲を繋ぐ役割を果たしている。

好きじゃない曲もアルバムの一員として愛して欲しい。

 

まずは、アルバムを通しで聞いてみよう

 

タイトルが「名盤探しのすゝめ」なのにいつまでも「名盤」とは何かについて語ってしまいました。

好きなアーティストの好きな曲だけをピックアップして聞いたり、人気曲順を上から聞いている人も多いと思います。

まず、好きなアーティストのアルバムを通しで聞いてみましょう。アルバムの中には自分の好きな曲、人気曲が入っている一方、聞いたことのない曲であったり、あんまりかっこよくない曲があったり‥。そんな中で、「え、こんなジャンルの曲も作っていたんだ」という発見があったりします。アーティストがほんとうにやりたい音楽というものをシングルで出さずに、アルバムに入れるという事は多いです。好きなアーティストの知らない側面を見つけられるかも。

 

あと単純に「名盤」を語れると音楽通ぶれます。これは非常に重要です。

 

聞いたことのないアーティストの「名盤」も聞いてみよう

 

これは趣味というよりも教養に近いかもしれない。例えば、はっぴいえんど「風街ろまん」というアルバム。”邦楽史上最高の名盤”と称されるこのアルバムは非常に音楽界隈で話題に上がることが多い。どうやらこのアルバムは、日本のロック、ポップスを確立させたことが評価されているらしい。聞いてみる。

 

なるほど、わからん

 

というのが私の正直な感想。「風をあつめて」という曲は有名で聞いた事があった。「風をあつめて」はいい曲だなーと思いつつ他の曲を聴いてみてもさっぱりわからない。このさっぱりわからないという経験を私は大切にしてほしい。音楽という身近にある媒体の中で「わからないから怖い」「わからないけどかっこいい」というような体験は非常に貴重です。普段聞いているJpopからかけ離れているジャンルの「名盤」に触れてみるという経験は間違えなくかけがえのないものになる。音楽に限らず、文学、学問、スポーツなどなど、自分の知りえない文化や風俗を学ぶ、体験するという行為は人生を豊かにすると私は信じてやまない。GoogleYoutubeに「邦楽 名盤」「洋楽 名盤」とぶち込んでやればいくらでも情報が出てくる時代。普段触れない文化に触れてみる機会を是非作ってみてほしい。

 

顔ジャケットは名盤と言われやすい傾向があるような希ガス

私が死ぬほど聞いてきた「名盤」

 

私の好きなアルバム紹介します。こんな風にアルバムを聴いているのか。という参考になれば幸いです。今回は邦楽に絞ってご紹介します。

 

宇多田ヒカル 「Fantôme」

 

宇多田ヒカルの名盤と言えば「First Love」というアルバムを挙げる方が多いと思います。このアルバム、16歳で作りました。日本国内で800万枚の売れた、日本で一番売れたアルバムです。テッド・ジェンセンがマスタリングしています、そんな要素もありながら私は宇多田ヒカルなら

 

「Fantôme」を推したい。

 

このアルバムは2013年に亡くなった母、藤圭子にささげるという意味合いを持って制作されたアルバムである。「人間活動」と称した活動休止からの復帰後初のアルバムで、オリジナル・アルバムとしては8年半ぶりのリリースとなった。同じ歌手であり、自殺で母を亡くした宇多田ヒカルは何を思ったのだろうか。

さらけ出された顎の骨格に、母の面影を感じた。

私の心の中にあなたがいる いつ如何なる時も 一人で歩いたつもりの道でも 始まりはあなただった 「道」より

 

このフレーズよ。譜割りも常人じゃ思いつかない。一曲目の「道」から最後の曲である「桜流し」までほんとうに流れが美しい。

 

岡村靖幸 「家庭教師」

 

岡村靖幸が好きなんよ。和製プリンスと称されることの多い彼だが、いや岡村靖幸岡村靖幸だろ、と私は思う。かっこいいのか、キモいのか、エロいのか、可笑しいのか、よくわからない彼の魅力。ただいつでもサウンドは猥褻。どぉなっちゃってんだよ。

 

岡村靖幸は冴えない男の子の気持ちがよくわかっている男だ。

 

俺なんかもっと頑張ればきっと女なんかジャンジャンもてまくり 

「どぉなっちゃってんだよ」より

このジャケットを描いたのはどなたなんだろか。色々調べると会田誠ではないはず。*2

中村佳穂 『AINOU』

 

中村佳穂は細田守が監督を務めた映画、『竜とそばかすの姫』で、主人公の声および劇中歌をしたことで話題になった。その後同映画のOP曲を紅白歌合戦で歌唱した。あのパフォーマンスは圧倒的だった。

 

このアルバムを初めて聴いたときの衝撃よ。「あ、邦楽が動き出した」と本気で感じた。音楽系Youtuberである、みの氏が彼女の事を「スティービーワンダーの生まれ変わり、またはスティービーワンダーそのもの。身体から音符が出てくるような感覚」と評していたがまさにそうだと感じた。私が人生で最も通して聞いたアルバム。マジで聞いてくれ。

一時期このジャケットがタワレコに多く並んだ。自分の事のように嬉しかった。

最後に

まだまだ紹介したかったアルバムがあるが、ひとまずここで終わりとさせていただく。全部で3400文字くらいかな。想定よりもかなり長くなった。読んでくれた方ありがとう。自分なりの名盤を探してみてくれ。

*1:グラミー賞のアルバム技術賞なんかいい例。実際選ばれたアルバムの音は凄まじいものがある

*2:人生でい一番衝撃を受けた絵は彼の描いた「とれたてイクラ丼」。ほんとうに凄まじい嫌悪感だった。こんな経験は今後ないだろう。怖いもの見たさの方は自己責任でどうぞ。